2014年5月出版の新旧チェアマンによって語られたJリーグ改革論。
帯には「迷えるJはいったいどこへ行くのか?」
ということで、

Jリーグは再建しなきゃいけない存在であること

ということが大々的に喧伝されている。
NHKでも2ステージ制にしなきゃダメなんだ、って語ったらしいけど、
マイナスイメージを世間に発信していくのはどうなんだろうってのは
率直に思う。
それで客が来たいと思うだろうか。

ただ、村井氏が偉いのは、自分が前面に出てるところだろう。
以前は中西大介氏が矢面に立っていた。
昔パーティーの壇上で話してる中西氏を見たが、
でかいなぁというのが印象的だった。
(あいさつの内容はそつがなかった)

で、本書の内容は、

「金が無い」

ということに尽きる。
じり貧だ。このままではやばい。ゆでガエルだ。改革だ。
というわけで、冒頭に広告費の話を持ってくる。

Jリーグの広告枠は1枠3億の12枠で36億。
これを手数料10%の32億4000万で博報堂に販売。

Jリーグは枠が売れても売れなくてもこれだけの金額を確保でき、
博報堂は売り切れば3億6000万の利益がでる、わけだが
実際は4枠は売れ残り、博報堂は8億ほど持ち出し。

最近電通に代わってもマクドナルドを連れてきただけ。

Jリーグは魅力が無いことを直視しろサポーターども、
と言ってるかのようである(被害妄想)。

サポーターのみなさん、目を覚ましてください

ってことだろうか。

その後も、Jリーグの厳しい現状、観客微減だの視聴率だのと話は続く。

そんな中、

ベストは1ステージなのはわかってる。
そのための迂回。そのための2ステージ制、ということが強く説かれる。
頂上を目指すにはルートは一つではないとばかりに。
(2ステージにするとお金が確保できるらしい)

金が無いんだよ

と言われると反論しにくい(何しろ金が無いんだから)。
長渕剛は、

「銭はよぉ、銭はよぉ、そりゃ欲しいけどよぉ、
 なんぼ積んでも、なんぼ積んでも
 譲れねぇものがある」

と歌っていたが、お金が無いのは困るよね、と思う自分もいるわけである。

正直リーグは「決断できる自分」に酔ってるようにも思えるし、
決まったのならとにかくやるしかない、と思う人も出てくるだろうと
思える一冊。

反論するにしても、相手の主張を聞いておいた方がいい、
という意味ではJリーグに関心のある人は読んでおくべき一冊かなぁ。