ヴァンフォーレが残留決定。その立役者とされる城福さんが
就任時に書いた本書。発売されてすぐ読んだはずだが、
今読むと興味深い点も多い。

例えば1章のチーム編成論のチームのフレームづくりについて。

「こうした数値目標(勝ち点〇〇、〇位)や、目標成績(優勝、ACL出場権獲得、
 J1昇格)は、どうしても現場だけの目標になりがちです。
 そこで私は、クラブ全体、さらにはサポーターや地元を巻き込んで、
 一体となって戦う『フレーム作り』を重視しています。」

とし、FC東京では「首都のクラブとしての使命」、甲府では、
「プロヴィンチアの象徴になる」とのフレームを掲げた、とする。

FC東京での効果はわからないけれど、甲府でのそれは強い印象を与えている。
城福さんが監督を自ら辞任した時、甲府のサポーターの中には、

まだやり残したことはないのか?

とか、

掲げた目標のためのサポートが十分でなかったのではないか?

との声もあったが、これを読むと、目標を達成するためにフレームセッティング
したのであって、そこにこだわりがあったのかはよくわからない。
嫌な言い方だけれど。

他にも、監督の就任時期によるチーム作りの違い、
(すでに選手の選考が済んでるだとか)
監督の1週間の過ごし方、などJリーグのサポなら食いつく点が多数ある。

特にオフシーズンを迎えようとしてる今なら、チーム編成についての部分、
そこからのチーム作りのところは楽しめるはず。

後半は采配論、戦術論、システム論を現場の監督視点で語られるので、
そのあたりが好きな人にはたまらないだろう。

本書がベストセラーになったという話は聞かないが、
おそらくJリーグのサポーターの書棚には並んでいるんだろう、たぶん。
甲府のサポは皆持ってるのかなぁ・・・