職業サッカークラブ社長
野々村芳和
ベースボール・マガジン社
2013-04-11




確か札幌のサポーターだったと思うけど、

「サポーターが営業マンになってくれたらクラブはもっと成長できるとかいう。
 でも、営業するには商品をよく知らなきゃ売れるものも売れない。
 クラブはもっとサポーターに情報を出してほしい」

てなことを言っていた。実際こういうことをクラブは言ったりする。

サポーターが一人づつ知り合いを連れて来てくれればスタジアムは
今の倍のお客さんが来てくれる

とかなんとか。そんなことは言われなくてもわかっているし、
熱心な人は周りに声もかけ、時には身銭を切り人を集めているわけだが、
それでも今の現状なわけである(徳島の話です)。

2013年、コンサドーレ札幌は、解説などでサッカーファンにはおなじみの
野々村芳和氏が社長に就任。
その4月に本書「職業サッカークラブ社長」を出した。
帯にはこうある。

「SAPPORO宣言2013」

今は2014年。社長の報告会とかもあるみたいだけど、とりあえず2014版は
出版されていない。総括的な意味で毎年出せばおもしろいんだけど。

カバー裏には、

「一人一人のサポーターの力は無限大。
 サポーターは夢を実現する大切な仲間。
 同じ夢を共有する人たちと一緒に夢をかなえたい」

とあって、ビジョンが無いといわれる中、ビジョンもありそうだし、
実際レコンビンも獲ったし、小野伸二まで加入した。
それでも、冒頭のようなことをサポーターに言われてしまうのである。
サッカー界、なかなか大変だ。
勝ってればOKなところもあるし。

内容はと言えば、冬のゲームの問題から日本ハムファイターズの関係。ユースについて。
雑駁ながら現状の分析と、自身の半自伝的な要素で構成されている本書。
札幌ファンには必読。他サポにとっては、やはりやってみてどうだったか、
というのが聞きたいところ。

解説者的な意見は十分うまく言えることはわかっているので、
実務的な話を希望したい。
現時点でプレーオフの可能性は十分あるので、昇格でもしたら
続刊の可能性もあるのでしょうか。